モルディブ小学校隊員の日記 〜今日の空振りは明日への素振り〜

青年海外協力隊モルディブ小学校教育隊員の日記です。がんばります。

3連覇

 モルディブでは大統領選挙が終わり、また少し島が落ち着きを取り戻したような感じがします。この選挙、日本と違うところがたくさんあるのでまた近々記事にしようかなと思います。

 

 

 日本にいる方はおそらくタイトルで察してもらえると思いますが、そうです、我らがカープが今日3連覇を達成しました!セ・リーグでは巨人以外では初の3連覇達成とのことです。すごい!

 マジックがガンガン減り、「いよいよ優勝か?」というところからずいぶん足踏みが続いていましたが、やっとリーグ優勝を決めましたね。しかも地元で。

 きっと今頃は広島はさぞ盛り上がってることでしょう。

 

 カープが3連覇、それ以前に優勝するなんて10年程前までは想像ができませんでした。第一Aクラス入りでさえ夢のまた夢でした。実際に前田智徳選手は当時ヒーローインタビューかなんかで「夢の貯金に向けて~」みたいなこと言ってましたからね(笑)

 

 今でこそ人気球団として全国区になった感のあるカープですが、それこそ10年~15年ほど前は、地元は別として関東ではほぼ情報を手に入れることができませんでした。

 

日本から数千キロも離れた小さな島でもリアルタイムで試合速報が入る今から考えると隔世の感がありますが、スポーツニュースではちょっとでも映ればいいほうで、勝っても話題は他の人気球団に取られ、やっと話題に上ったと思えばベースボール犬やらFA流出やら。しかも弱い(笑)

 

そんなカープがここまで強くなったのは人を大事にしているからなんじゃないかなと思います。

 

 カープという球団を表す表現でよく「育成のカープ」なんて言い方をされることがあります。昔は「お金がなくて育てるしかないから」みたいな揶揄するような表現でしたが、今は完全に誉め言葉になっていますね。野手の話ですが、現在の主力で言うと鈴木選手、菊池選手、田中選手なんかは比較的早く出てきましたが、丸選手、松山選手、會澤選手、安部選手は数年間2軍にいたり控えの時期が長かったりで、まさに「育成した」と言ってもよいのではないでしょうか。さらにドミニカにあるカープアカデミー出身のバティスタフランスアも今や欠かせない存在になっています。今日のスタメンも全員生え抜きでしたね。

 それだけではなくコーチ、監督も育成。緒方監督は5年間のコーチ経験がありますし、他の1軍コーチも2軍からのたたき上げの方が多いです。個人的に優勝の立役者なんじゃないかなと思っているのは高ヘッドコーチ。1軍のコーチに上がる前は2軍監督で2軍をファーム優勝に導いています。この高コーチ、選手時代の実績は目立つものではありませんでしたが、コーチ歴は今年で20年目。まさに育成ですね。

 退団予定の選手の就職先の斡旋もしっかりやっているということもよく聞きます。

 

 選手やコーチを大事にするのはもちろんファン(特に地元のファン)も大事にします。新球場の席はバラエティーに富んでいて老若男女、野球に興味があるかないかも問わず楽しめるつくりになっていますし、グッズも豊富。サヨナラ勝ちをすると必ずTシャツを作る(しかもほぼ即日で)あたりも、ファンを楽しませることを考えているように思います。さらに広島ではカープを題材にした授業をしている学校もあるとかないとか。ファンの育成もしっかりしています(笑)

 

カープは強いし楽しい」

こうなったらファンが増えるのも当然です。

 

 カープは球団の成り立ちの経緯や独立採算制(親会社がない)であることも人を大事にすることに一役買っている部分もあると思います。そもそもオーナーが生粋のカープ親父ですからね。

 あとは日本一になってさらにファンを喜ばせてほしいと思います。

 

 

 何でもそうですが人を育てるには時間がかかりますし、我慢(“我慢させる”じゃなく)が必要です。しかもたとえ今はよくても5年後10年後はどうなるかわかりません。逆もまた然り。なかなか大変なことではありますが、そこは「人を大事にする」気持ちがあれば何とかなるんじゃないかなと思っています。

 そんなことを今のカープは私たちに教えてくれてます、と言ったら飛躍しすぎですかね(笑)

 

 モルディブと関係ない話を長々と失礼しました。

 ちなみにモルディブではマツダの車がたくさん(うちの島ではシェアNO.1です)走っているので同僚に「マツダがある広島の野球チームが優勝した」という話をしたら一緒に喜んでくれました。多分野球のルールは知らないでしょうが(笑)