はじめての避難訓練
10月に入りました。7月から9月の3ヶ月間、ついに3ヶ月ごとに不幸に見舞われるというジンクスを破ることができました。
大体こうやって油断しているとまた何か起こるわけですが、油断せずに怪我病気ゼロで最後まで行きたいと思ってます。
さて、先週に赴任校にて津波等の災害対策プログラムがありました。
これはUNDP(国連開発計画)が主催しており、モルディブの島々の学校を回って子どもだけでなく、教職員や島民にワークショップ等を通して災害対策の啓発を行なっています。
まず、先週の初めから毎日夜に災害対策や応急処置の研修がありました。基本的には日本にいれば一度は受けたことのある内容でしたが、実際に対策を体験する際には全て本物を使ってやっていました。室内で鍋を爆発させるわ、油につけた火に水消火器かけるわで少々危険でしたが、とても新鮮でした。
避難の流れはおそらく日本のものをベースにしているようで、日本とあまり変わりませんが、こちらもかなり気合いが入っていました。
消防、警察、病院全面協力のもと、重傷者が出た場合を想定して医者が駆けつけ、救急車がサイレンをガンガンに鳴らして駆けつけ、重傷者役の子どもを病院に搬送するなど、日本ではまずできない本格な訓練をしていました。重傷者役の子にはべったり赤い塗料がついていて、「そこまでやるか?」とも思いましたが(笑)
僕も救護の担当として一緒に訓練に参加しました。日本にいたときは救護にまわったことはなかったので、良い経験になりました。
訓練は今回が初めてということで改善点もあると思いますが、それでも教職員同士連携してスムーズに進められていたと思います。
2004年、スマトラ島沖地震の際にモルディブにも津波が押し寄せ、少なくない被害を受けました。しかしそれからすでに15年が経過し、今学校に通っている子はほぼ覚えていないか、それ以前に当時生まれてもいない子ばかりです。
なかなか災害に対して実感がわかない中でこういった訓練に参加するのはとても良い経験だと思います。
ちなみにこの対策プログラム、日本出資のもと行われています。良いお金の使い方ですよね。
先程あげた2004年の津波の際には首都のマレも浸水被害を受けましたが、日本の資金援助で建てられた防波堤があったため、人的被害はかなり抑えられたそうです。
今回の訓練に参加して、改めて日本の災害対策、緊急時の対策は日頃の備えも含めてしっかりしているなとも思いました。もちろん千葉での台風の対応のように脆い部分もありますが、それでもやっぱりすごいと思います。
気候変動の影響もあり、世界各地で大災害が起こっています。その中で災害対策が進んでいる日本が果たすべき役割が大きくなってきています。
その中でこういった日本のあたりまえを世界に伝えていくことも立派な国際支援になるのではないでしょうか。