モルディブ小学校隊員の日記 〜今日の空振りは明日への素振り〜

青年海外協力隊モルディブ小学校教育隊員の日記です。がんばります。

母国語

かれこれ一月ほど暑すぎて停電の日々が続いておりましたが、ここ数日まとまった雨が降り、多少は暑さが和らいできた気がする毎日です。

 

 

 さて、こちらでは新年に入ってから「国際母語デー(2月21日)」「ディベヒ語の日(4月14日)」と、母国語に関係する二つの記念日にイベントがありました。

 

 どちらの日もモルディブの伝統衣装を着て子どもたちと先生たちがディベヒ語や国の文化についての劇をしていました。僕の学校は児童・生徒数が多いため、午前中は中学生以上、午後は小学生とそれぞれ時間を分けて集会をしていました。

 母語デーは全学年、ディベヒ語の日は1~3年生が入れ代わり立ち代わり全員出演したので、どちらも2時間以上の長丁場。肝心の劇は何とも言えない出来でしたが(笑)、ディベヒ語を大切にしていこうという思いは感じました。

 

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こちらに来て約300日、ケヨドゥでの語学研修の頃と比べて、ほとんどディベヒ語が上達していません。島にもよると思いますが、ほぼ英語でコミュニケーションを取ることができるからです。学校で使用している教科書もディベヒ語等、一部を除いたほとんどの教科書が英語で書かれています。モルディブ国内向けのインターネットコンテンツについても、ディベヒ語で書かれているサイトはかなり少ないですし、そういったサイトでも必ずと言っていいほど英語を選べます。

 

このように英語が日常生活に欠かせなくなりつつあるのは、モルディブが近代化を進める中でディベヒ語を介するより、英語を使えるようにするほうが手っ取り早いと考えたからなのかもしれません。恐らくあと2.30年もしたら、モルディブ人のほとんどが英語で話すことができるようになっているでしょう。

 そうなると、相対的にディベヒ語の使用頻度は減っていくのは避けられません。今後その傾向は学校やスマホのゲーム、YOUTUBEなどで日常から英語に触れている若い世代ほど顕著になっていくと思います。

 

 「ディベヒ語が使われなくなるかも知れない」

 

 意識しているか、していないかはわかりませんが、モルディブの人々は少なからずこういった危機感があるのではないでしょうか。

 

 

 英語は確かに便利ですし、さらに国際化が進んでいくと英語の重要度はさらに増すと思います。ただ、それとは別に母語も大切にしていくべきだと思っています。そういった意味では英語の習得と母国語の習得のバランスは本当に難しいですね。

 

 言語は文化そのものです。母語によって考え方も変わるといいます。他の言語では表現できない言葉もありますしね。

 

 ディベヒ語だったので何を言っているのかほぼわかりませんでしたが、日本語を大切にしていこうと思った2日間でした。